人生洋梨

哀しみのルート20

世界一わかりやすいコーラスの話 その2

 移動中にしかブロギは書かないという誓いを立てたのだが、野球で日本が世界一になって機嫌がいいので今日はもう一発書いておこうと思う。どうでもいいが筆者はヤクルトファンです。山田最高、山田がいないヤクルトなんて考えらんねェよ。自分が書いた記事を後で読み返したら、ツイッターに人生を奪われているせいか無駄に改行が多くて読みにくいしムカついたので今後気をつけようと思う。

 さて、JC-120のコーラスに近い音をコンパクトエフェクターで出す、というのが話の本題であるが、今回は前提としてコンパクトエフェクターとしてのコーラス全般の話をしておきたいと思う。一番大きな枠で捉えれば、アナログコーラスとデジタルコーラスの2者に分かれるが、デジタルも歴史的にはアナログをシミュレートしたものなので(適当)、今回はアナログコーラスにおける違いに焦点を絞る。

 アナログコーラスには大きく分けて2種類がある。コーラスというエフェクトを生み出すのに必要な遅延素子・クロックドライバーの組み合わせがMN3007・MN3101のものと、MN3207・MN3102のものである。筆者は前者を30コーラス、後者を32コーラスと勝手に呼んでいる。遅延素子とかクロックドライバーとか云々、については筆者もよく理解ってないので各自ググって下さい。

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黒い箱に足が8本生えたやつが素子である。

 前者はコーラスというエフェクターの黎明期によく使われたもので、JC-120はもちろんBOSSのCE-2にも使われている。ローミッドが盛り上がる感じが特徴で、「アナログで温かみのあるコーラス」という宣伝文句はこのことを指しているのではないだろうか。後にデジタルになるがCE-5とかCH-1も当初はアナログでこの素子を使用していた。

 後者はBOSSではCE-2の後継のCE-3等に使用されたもので、前者と比べると高域が綺麗に揺れる感じがあり、透き通った感触が得られる。どちらかというとBOSS以外のメーカーのコーラスで使用されるイメージがあり、30コーラスといえばボス、32コーラスといえばマクソンだと勝手に思っている(実際はそうでもない)。

 前回の記事でCE-2がすげーフツーなコーラスであることは話したが、せっかくなのでこれを基準に筆者が所有したことのあるコーラスと比較してみたいと思う。

・CE-3

 BOSS初の32コーラスであり、筆者が初めて所有したコーラス。ほんとはCE-2が欲しかったが高くて買えなかったので。ボスコンがまだ日本製だった頃の製品だが、中古で大量に出回っており4000円前後で買える。個人的にはCE-2よりも好みのコーラスだが、エフェクトON時に音が露骨に引っ込むのが難点。これをなんとかしようとして生まれて初めてのエフェクターMODのドナーになったが、素子を熱でやっつけてしまい使えなくなってしまった。

・CE-5

 CE-3がぶっ壊れたのでピンチヒッター的な感じで購入。現行だし5000円くらいで買える。アナログ回路の初期型を選んで買ったが、現行だからオタク趣味的には何も面白くないし、ツマミが多いのが逆に使いづらかったのですぐ手放した。

・CE-2

 CE-5はイマイチだったししょうがねえな、ということで2万の大枚叩いて購入。憧れの名器がこの手に!みたいな感覚でしばらく気に入って使っていたが、ふと、なんか高い割にはフツーだなと思い、金に困ったので売ってしまった。

 30コーラスは揺れのピークがローミッドに寄っており、良くも悪くもこれが最も一般的なコーラスの音なのだが、6,5弦がボヨボヨ揺れてブーミーな感じになるのが個人的には好きではないことがわかった。

・Maxon CS-505 初期型 キャラメルスイッチ スモールケース

 CE-2を売った後はマクソンに鞍替え。1.2万円で相場よりはかなり安く買えたがこれも高いやんけ。マクソンは32じゃねえのって思ってたがこれは古いからなのか30だった。同じ30でも18V駆動だからか、CE-2よりも全帯域で満遍なく広がる感じがあり好感触だった。ただ結局はそんなでもねえなとなり、18V駆動なのが面倒なのとやはり高く売れるのとで売ってしまった。

ARION SCH-ZD

 結構評判がいいし安いので買ってみた。3000円もしなかったと思う。素子は何だったか忘れた。悪くはないが特段面白くもないし筐体がプラスチックでベリンガー並にショボいので何だかなあと思いすぐ売った。

・BOSS CE-2B 改

 筆者が現在唯一所有しているアナログコーラスで、今まで所有した中で一番気に入っている。CE-2が基本だがベース用にほんの数箇所パーツの定数を変えた製品。あとCE-2にはないエフェクトレベルのコントロールがある。ゴキブリのような見た目からかプレミアのついたCE-2とは違い5000円くらいで転がっている。日本製と台湾製があるが日本製の方が音が良いっぽい。安いし数箇所弄ればCE-2の音出んじゃね?ということで改造の素材にするオタク君が後を断たない。

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DM-3と同じ帽子型のノブが使われている個体は日本製。

 ベース用コーラスはギター用と何が違うのかというと、エフェクトのかかる帯域である。ベース用は低域がそんなに揺れないようにチューニングされている。ベースの低域が無駄にボヨンボヨン揺れるとうるさいということなのだろう。

 CE-2で低音弦のブーミーさが気になった筆者にとってこれは朗報であった。ベース用をそのままギターに使うとあっさりし過ぎなので、コンデンサーの定数をCE-2とCE-2Bの中間にするといい塩梅になった。CE-2と違いエフェクトレベルも弄れるので便利である。

 とまあこんな経緯で現在はベース用CE-2Bを改造したものを気に入って使っている。だがこれは色んなコーラスを試していたら何となく気に入るものが出てきたというだけで、CE-2B改がJCのコーラスっぽいかというとそうでもない。モノラルのコーラスとしてはJCのステレオ出力のコーラスにかなり肉薄しているとは思うが、広がりはイマイチな気がする。まあ広がりすぎるとマイクで拾えないんだしこんなもんでいいか。

 ちなみに、JCのコーラスも30コーラスであり低音弦がブーミーになる傾向はあるのだが、コンパクトエフェクターの30コーラスとは違い、ステレオ出力による広がりでそれを相殺している気がする。(以上の比較における感想は全てモノラルで使用した場合のものである。)

 ここで意外なところからJCのコーラスの広がりを再現する救世主が現れるのだが、既にクソ長くなってしまっているのでまた次回で。