人生洋梨

哀しみのルート20

12弦ギターとThalia capo(タリアカポ)

・Thalia capo買いました

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高級外車のドアの取っ手っぽい

 ビンテージFenderの指板Rがきつい12弦ギターに合うカポを探していた筆者。カポにしては値は張るがいわゆる「高級カポ」として存在が知られつつあるThalia capo(タリアカポ)を購入してみたので記事にしておこうと思う。

・タリアカポって何ぞや

 一言で言うと、弦を押さえるゴム部分をギター側の指板Rに合わせて交換できる高機能なカポタストである。機能だけでなくデザインも洗練されており、「高級カポ」として2000円前後が相場の一般的なカポとは一線を画す存在となっている。

 製品には多くのバリエーションがあり、ギターのハードウェアのように金属部のメッキの色を選択できるだけでなく、インレイは希少木材や貝などの様々な素材の中から気に入ったものを選ぶことができる。

 今回購入したのはラインナップの中でもスタンダードな、クロームメッキで"Brazilian Lacewood"をインレイに使ったもの。より値は張るが、ド派手な貝のインレイやGibsonとのコラボなんてのも選べる。

 大阪の三木楽器が輸入代理店となっており、AmazonやYahooショッピング、楽天などで取り扱いがある。AmazonではB級品っぽいのがたまに割引で出てるので狙い目。気になった人は三木楽器のサイトをご覧ください。

www.miki.co.jp

・使用した感想

・交換可能なゴム部分

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これでもかと言うくらいの替えゴムが付属する

 タリアカポにおける機能上の要となる替えゴムは、標準サイズのものと、12弦ギターやウクレレバンジョーといった弦高が高い、あるいは弦のテンションが強い楽器向けの”ハイテンションラバー"がそれぞれ7種類1個ずつ、合計で14個付属する。

 ゴムの交換作業はとても簡単で、説明するまでもないほどである。ゴム部の長さは全14種類で共通して約57mmあり、12弦への対応はもちろん、ネック幅の広いギターやクラシックギターでも使える。12弦7カポでHotel Califolniaなんてのも余裕である。

 筆者はFenderのギターばかり使うので、6弦用に標準サイズの7.5R、12弦用にハイテンションラバーの7.5Rを使用している。ハイテンションラバーは標準より2mmほどゴムが分厚くなっており、弦のテンションが強く弦高の高めな12弦向きである。

・12弦ギターではどうか

 やはりカポのゴムが指板Rにマッチしている効果は大きい。汎用のカポとは違い全弦が均一な力で押弦され、12弦における、指板の端にある6コースの複弦と1コースの主弦がちゃんと鳴らない問題も解決された。

 だが12本の弦全部をちゃんと鳴らすには少しコツが必要。個人的にはもう少しカポ自体のバネの力が欲しいかもしれない。端の弦はコンスタントに鳴るが、フレットの間の最適な位置に装着しないと押弦の力が足りず、5〜3コースの複弦が鳴らなくなってしまう。

 汎用のカポでは指板Rよりゴムがフラットなため、端の弦を押弦できない代わりに、真ん中の弦が強く押さえられていたのでこの問題は生じなかった。まあポジションさえ合えば今までのどのカポよりまともに使えるのでヨシとしよう。

 これでもカポ自体のバネの力は強い方だと思う。あまり強すぎてもネックに負担が掛かるということなのだろう。製品の問題というより12弦の張力が異常なだけだしね。ゲージの低い弦を張るなど色々工夫して使いたいと思う。

ユーザビリティ

 直感的な使いやすさは、同じバネ式でもkyserやDunlopなどトリガー型の方に分がある。トリガー型の方が人間工学的には握りやすい。タリアカポに関してはデザインを重視した結果でのこの形だろう。まあ慣れの問題である。

 あと重いという意見があるが、個人的にはそうでもない。カポの重量は音にも影響するので一概には言えないが。多少重めではあるが、想像を絶するほどズッシリという感じでもなく、ネックに悪影響があるとかはないと思う。気に入ればオッケーである。

・総評

 カポにしては値段が高いので、個人的にはゴムを交換できる機能は維持したまま、デザインをシンプルにした廉価版を出して欲しい。ゴムも半分以上は使わないので別売にして価格を下げるのもアリではないか(ケチくせえなコイツ)。

 余談だが、10年前くらいにボディとレフィルを入れ替えてカスタマイズできるボールペンが流行ったのを思い出した。カポってギター弾きなら結構使うし、自分好みにカスタマイズできるなんて良い時代かもね。ケチだから一番安いの買ったけど(結構気に入ってる)。

 ゴムの幅が十分にあるので12弦ギターはもちろん多弦ギター向きだと思います。メタリックなデザインもあるし、メタル屋さんの7弦ギターなんかにピッタリだと思う。パッケージがオシャレなのでプレゼントにも人気だそうです。カポなのにロマンチックなもんですね。

 結果としては、少し使うのにコツは要るけど、Fenderのホッケースティック12弦使いにはもっとも適したカポだと思います(そんな物好きそうそういるとは思えないが)。この記事が全国のElectric XII、Villager、Shenandoah使いの参考になれば幸いです。